目次
VPN基礎:拠点間接続とリモートアクセスの仕組み
どうも!リョクちゃです。
社内ネットワークを安全に拡張したり、外部から安全にアクセスするために利用されるのが VPN(Virtual Private Network) です。
本記事では、VPNの基本的な仕組みと代表的な方式、実務での活用ポイントを解説します。
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VPNとは?
VPNは「インターネットなどの公衆網上に仮想的な専用線を構築する技術」です。
暗号化と認証により、安全な通信を実現します。
主なメリット:
- 安全な拠点間接続(本社と支社、データセンターなど)
- テレワークなど外部からの安全なリモートアクセス
- コスト削減(専用線より安価)
VPNの主な方式
1. IPsec VPN
- レイヤ:L3(ネットワーク層)
- 特徴:汎用性が高く、拠点間接続で広く利用
- 通信の流れ:SA(Security Association)確立 → 暗号化トンネル構築 → パケット送受信
- メリット:高いセキュリティ、機器間接続が容易
2. SSL VPN
- レイヤ:L4〜L7
- 特徴:ブラウザや専用クライアントを使って安全なリモートアクセスを実現
- メリット:ユーザ側の設定が簡単、テレワーク向けに最適
3. MPLS VPN(参考)
- ISPが提供するVPNサービス。企業WANの大規模展開で使われる。
実務でのVPN利用例
- 拠点間接続(Site-to-Site VPN)
本社と支社、データセンターを安全に接続。ルータやFW同士でトンネルを張る。 リモートアクセスVPN
テレワーク社員が社内システムにアクセス。PCやスマホにクライアントを導入。
トラブル例と切り分け
症状 | 想定原因 | 対処方法 |
---|---|---|
VPNが確立しない | 認証情報の不一致、PSKミス | 設定を再確認、ログでPhase1/2確認 |
通信は確立するがアクセスできない | ルーティングミス、FWでブロック | 経路とポリシーを確認 |
遅い/切れる | MTU不一致、暗号処理負荷 | MTU調整、機器の性能確認 |
コマンド例(Cisco IOS)
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まとめ
- VPNは「安全な仮想専用線」を作る技術
- 拠点間接続ならIPSec VPNが基本、テレワークはSSL VPNが便利
- トラブル時は「認証」「経路」「FW」を順番に確認するのが効率的
👉 次回はVPNの実践例(Cisco Packet Tracerや設定の基本)を取り上げます。