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ルーティングテーブルの読み方入門:最長一致ルールと実務での確認方法
どうも!リョクちゃです。
ネットワーク機器(ルータやL3スイッチ)は、ルーティングテーブルを参照してパケットの行き先を決定します。
この記事では、ルーティングテーブルの基本構造、最長一致のルール、実務での確認方法、障害対策について整理します。
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ルーティングテーブルとは?
ルーティングテーブルとは、 宛先ネットワークに対して、どの経路(Next Hop / インタフェース)を使うかを記録した表 です。
代表的な項目は以下の通りです。
- 宛先ネットワーク(Destination Network)
どのネットワークに向かうか(例:192.168.1.0/24) Next Hop(ネクストホップ)
次に転送するルータやゲートウェイのIPアドレスインタフェース
実際にパケットを出すルータ側のポートメトリック / コスト
経路の優先度を表す数値。小さい方が優先される
最長一致(Longest Match)のルール
複数の経路が宛先にマッチする場合、最もサブネットマスクが長い(細かい)ルートが優先されます。 これを「 最長一致ルール 」と呼びます。
宛先ネットワーク (例:192.168.1.50) | 説明 |
---|---|
192.168.0.0/16 | 大きな範囲 |
192.168.1.0/24 | より狭い範囲 |
192.168.1.32/27 | さらに狭い範囲 |
👉 この場合、
/27 のルートが選択されます。
この仕組みにより、ルーティングは「大きなルール」より「具体的なルール」を優先します。
実務での確認方法
Ciscoルータ・L3スイッチ
1 2 |
show ip route |
- ルーティングテーブルを表示
- 各経路の種類(S: Static, C: Connected, O: OSPF など)が確認できる
Windows
1 2 |
route print |
- PCのルーティングテーブルを確認
- デフォルトゲートウェイ(0.0.0.0/0)の設定確認に使える
Linux / macOS
1 2 |
ip route show |
- 宛先ネットワークとNext Hopの一覧が表示される
障害対策:誤ったルート設定の検出
ルート未設定
- 症状:特定のネットワークに全く通信できない
- 対策:
route print
/show ip route
で該当ネットワークが存在するか確認
Next Hop誤設定
- 症状:パケットが誤ったルータに転送される
- 対策:
traceroute
で経路を追跡
経路ループ
- 症状:パケットが同じルータ間を回り続ける
- 対策:
traceroute
で同じアドレスが繰り返し表示される
資格試験での要点
- 基本情報技術者試験
デフォルトゲートウェイ(0.0.0.0/0)の役割を理解しているか問われる - CCNA
show ip route
の出力から経路の優先度や選択ルールを読み解く問題が出題される
まとめ
- ルーティングテーブルは「宛先ネットワーク ⇒ Next Hop / インタフェース」の対応表
- 複数経路がある場合は「最長一致ルール」で最も具体的な経路が選ばれる
- 実務では
show ip route
やroute print
で確認 - 障害時は「ルート未設定・Next Hop誤り・経路ループ」に注意
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➡ 前回:ルーティング入門:ネットワークの道案内を理解しよう