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リンクアグリゲーション(LAG/EtherChannel)入門:複数回線を束ねて冗長性と帯域を強化
どうも!リョクちゃです。
ネットワークの信頼性と通信速度を向上させる代表的な技術が
リンクアグリゲーション(Link Aggregation) です。
複数の物理回線を1本の論理回線としてまとめることで、
帯域の拡張 と 冗長性の確保 ができます。
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リンクアグリゲーションとは?
リンクアグリゲーション(LAG:Link Aggregation Group、EtherChannel)は、複数のイーサネットリンクを1つの論理的なリンクに束ねる技術です。
- 帯域幅の向上:2本の1Gbpsリンクをまとめれば、理論上2Gbps相当の通信が可能
- 冗長性の確保:1本のケーブルが切断されても、残りのリンクで通信が継続できる
静的LAGと動的LAG(LACP)
リンクアグリゲーションには2つの動作モードがあります。
1. 静的LAG(Manual / On)
- 双方の機器で手動設定して束ねる
- 設定はシンプルだが、片側だけ設定した場合はリンクダウンしないためループリスクあり
2. 動的LAG(LACP:Link Aggregation Control Protocol)
- IEEE 802.1AX(旧802.3ad)に準拠
- 双方の機器がLACPパケットでリンク状態を確認
- 設定不一致がある場合、自動的にリンクを無効化するので安全
👉 実務ではLACPが推奨されることが多いです。
実務での利用例
- サーバーとスイッチ間
サーバーのNICを2〜4本束ねて、帯域拡張と冗長化を同時に実現。 スイッチ間
コアスイッチとアクセススイッチを複数のケーブルで接続し、ネットワークの停止リスクを低減。
トラブル例と対策
設定不一致
片側がLACP、もう片側が静的LAGになっているとリンクが正しく確立しない。
→ 両側のモードを合わせる。負荷分散の期待外れ
フレームの分散方式(MACアドレス・IPアドレス・ポート番号ベース)によっては、通信が1本のリンクに集中することがある。
→ トラフィック特性に応じてハッシュ設定を調整。ケーブル品質不良
一部のリンクだけエラーが多発して帯域が実質的に減少する。
→show interface
やethtool
でエラーカウンタを確認。
Ciso IOSコマンド例
1 2 |
show etherchannel summary |
- EtherChannelの状態確認
1 2 |
show interfaces port-channel 1 |
- インターフェースの詳細確認
1 2 |
cat /proc/net/bonding/bond0 |
- bondインターフェースの状態確認
まとめ
- リンクアグリゲーションは 冗長性と帯域拡張 の両方を実現する重要技術
- 実務ではLACPによる動的制御が推奨される
- 設定不一致や負荷分散方式の選定がトラブルの原因になりやすい
👉 次回はVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol) を解説し、 ネットワークの信頼性をさらに高める方法を学びます。