【電子工作】LM317Pを使った可変電源装置の作成~回路図編~

どうも!リョクちゃです。

可変電源の製作をしたので、さらっと記事にしておきます。

何らかの参考になれば嬉しいです。

目次

目的 

マイコンやモータ等を駆動させる際には、必要に応じて電圧の調整が必要になります。

必要に応じて電圧を調整できる可変電源装置の製作を目的としました。

回路図

とりあえず、こんなの作りました。

サンプル回路図をほぼ参考にしただけですが……。

ちなみに今回、放熱関係は割愛しています、すみません。

制作した可変電源

材料

No回路図記号部品名規格・仕様
1D1ダイオード1N4007
2D2ダイオード1N4007
3R1抵抗120[Ω] (酸化皮膜抵抗 1[W])
4VR1可変抵抗5[kΩ]
5C1積層セラミックコンデンサ0.1[uF]
6C2電解コンデンサ10[uF]
7C3電解コンデンサ1[uF]
8IC1三端子レギュレータLM317P
9-アルミケースW×H×D
80mm×50mm×80mm
10VCCDC電源アダプタ12~24V用

※電解コンデンサには極性があるので、配線をする際は気を付けてください

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出力電圧の計算式

三端子レギュレータの出力電圧公式は以下になります。(※三端子レギュレータの仕様図参照)

\begin{equation} Vo = Vref × ( \frac{1 + R2} { R1}) + R2 × Iadj \end{equation}

出力電圧の公式について、詳しく。


出力電圧について
  • Vin : 入力電圧端子
  • Vout : 出力電圧端子
  • ADJ : 可変(調整)端子
  • Vref : 基準電圧(1.25[V])
  • Iadj : 調整端子から出力される電流(50[uA])
  • I1 : 定電流
  • R1 : プログラム抵抗
  • VR1 : 出力設定用抵抗

ここで、

  1.  基準電圧(電圧が一定)が1.25[V]
  2.  $定電流 I1 = \frac{Vref}{R1} で求めることができます。$
  3.  $VR1の両端にかかる電圧をVR’として、$
     $VR’ = \frac{Vref }{ R1} × VR1 で求めることができます。$

$また、VR’は、I1 × VR1なので$
3.の式より、 

$VR’ = \frac{Vref}{R1} × VR1 (2.の式より、I1を変換)$

$VR’ × \frac{R1}{VR1} = \frac{Vref}{R1} × VR1 × \frac{R1}{VR1}$

$(両辺に\frac{R1}{VR1}をかける)$

$VR’ = Vref × \frac{VR1}{R1}$

$これより、Voutは$

$Vout = Vref + VR’$

$ = Vref + \frac{Vref}{R1} × VR1 (VR’を変換)$

$ = ( Vref + \frac{Vref}{R1} × VR1) × \frac{R1}{VR1}$

$ (両辺に\frac{R1}{VR1}をかける)$

$ = Vref × R1 + Vref × \frac{VR1}{R1}$

$ = Vref ( 1 + \frac{VR1}{R1})$

$厳密には、調整端子(ADJ)から印加されるIadj × VR1を加えるので$

\begin{equation}
Vout = Vref ( \frac{1 + VR1}{R1} ) + Iadj × VR1
\end{equation}

となります。
回路図上、VR1になっています

IADJに関しては、50[uA]と非常に値が小さいことから

計算時には(IADJ*VR1)無視しても問題ありません

よって、最終的に出力電圧の計算式は、以下のようになります。

$ Vout = VRef × ( \frac{ 1 + VR1 }{R1} )  $

例題

例 )  出力電圧が9[V]で抵抗R1が120[Ω]のとき、
    VR1はどのような値に設定したらいいでしょうか?

$式(1)より、 $

$VR1 = R1 × \frac{( Vout – Vref)}{Vref} + ( R1 × Iadj)$

$= 120 × \frac{( 9 – 1.25)}{1.25} + ( 120 × ( 50 × 10^-6 ) )$

$= \frac{120 × 7.75}{1.25} + 0.006$

$= \frac{930}{1.256}$

$= 740.45 [Ω]$

$≒ 740 [Ω] $

よって、VR1を740[Ω]になるように調整すれば、9[V]が出力されます

といった感じに 求めることができます。

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24VまでのVR1の値を表にしてみた

ちなみに1~24Vまでの出力が欲しい場合のVR1の値を算出し、表にしてみました。

NoVR1[Ω]Vout[V]
1241.00
2722.00
31683.00
42644.00
53605.00
64566.00
75527.00
86488.00
97449.00
1084010.00
1193611.00
12103212.00
13112813.00
14122414.00
15132015.00
16141616.00
17151217.00
18160818.00
19170419.00
20180020.00
21189621.00
22199222.00
23208823.00
24218424.00

VR1の調整は、テスターを使って調整すると視覚的にできるのでおススメです。

以上、サンプル回路を参考に作ってみた可変電源装置でした。

・電源回路設計・製作の参考になりそうな本です。

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