VPN実践編:Cisco IOSで学ぶVPN設定とトラブルシュート

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VPN実践編:Cisco IOSで学ぶVPN設定とトラブルシュート

どうも!リョクちゃです。

前回の「VPN基礎」では、VPNの概念や種類を解説しました。
今回は、 Cisco IOSを例にしたVPNの設定手順と実際のコマンド出力例を紹介します。


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実践環境の想定

  • 本社ルータ(R1):グローバルIP 203.0.113.1
  • 支社ルータ(R2):グローバルIP 203.0.113.2
  • 社内ネットワーク:
    ・ R1側:192.168.10.0/24
    ・ R2側:192.168.20.0/24
ChatGPT Image 2025年10月10日 05_05_48

IPsec VPN の設定例(Cisco IOS)

1. ISAKMPフェーズ1(IKE設定)


2. フェーズ2 (IPsec設定)


3. VPN対象トラフィックをACLで指定


4. インターフェースに適用


動作確認コマンド

ISAKMPセッションの確認

👉 QM_IDLE はPhase1とPhase2が正常に確立されている状態。


IPsecセッションの確認

👉 pkts encaps/decaps がカウントされていれば、実際に暗号化トラフィックが流れている。


トラブルシュートのヒント

症状 考えられる原因 確認コマンド
Phase1が確立しない PSK不一致、ポリシー不整合 show crypto isakmp sa
Phase2が確立しない ACLの設定ミス show crypto ipsec sa
トラフィックが通らない NATの競合、ルーティングミス show ip routeshow run

実務Tips

  • NATとVPNの競合に注意
    NATの除外設定( ip nat inside source ...)が必要な場合あり。
  • MTU調整
    VPNトンネルでパケット断片化が起きる場合はMTU値を調整。

  • ログ活用
    debug crypto isakmpdebug crypto ipsec は詳細な原因分析に有効(本番環境では慎重に使用)。


まとめ

  • VPNは設定だけでなく状態確認コマンドの理解が重要
  • Phase1(ISAKMP)とPhase2(IPsec)のどこで失敗しているかを切り分けるのが基本
  • 本番環境では安全性と冗長性を意識しつつテスト環境での事前検証がおすすめ

👉 次回は「VPN運用のベストプラクティス」として、監視やログ管理、可用性向上策を紹介します。

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