ルーティングトラブルシュート:ping・tracerouteで障害を切り分ける方法

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ルーティングトラブルトラブルシュート:ping・tracerouteで障害を切り分ける方法

どうも!リョクちゃです。
「ルーティングテーブルの読み方」を理解したら、次のステップ トラブルシュート
「通信が届かない」トラブルは、物理層の問題からルーティング設定のミスまで、原因が多岐にわたります。
この記事では、 ping・tracerouteを活用した障害切り分け手順と、実務でよくあるパターンを整理します。


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トラブルシュートの基本的な流れ

ネットワーク障害は、下位層から順番に確認するのが鉄則です。

トラブルシュート_基本的な流れ
  1. ケーブル・リンク確認 (物理層)

  2. MACアドレス解決(ARP) (データリンク層)

  3. ルーティング経路の確認 (ネットワーク層)

  4. ポート開放・FW確認 (トランスポート層以上)


pingによる疎通確認

  • 応答あり ⇒ IP層まで通信が届いている
  • 応答なし ⇒ ネットワークがそれ以下で問題の可能性

ポイント

  • デフォルトゲートウェイ(GW)にpingを打つと、LAN内かGWまでの問題かを切り分けやすい
  • インターネット疎通確認は 8.8.8.8(Google DNS)が便利

traceroute(tracert)で経路を確認

宛先までのルータを順番にたどって、どこで止まっているか確認をします。

  • 最後までたどり着けば経路上のルーティングは問題なし
  • 特定のホップで止まれば、その手前まで通信ができていることを意味する

実務例

  • 自社内のGWで止まる ⇒ 内部ルーティングの設定ミス
  • 外部の最初のルータで止まる ⇒ ISP側の問題やFWの影響

ルーティングテーブルを確認

ping・tracerouteで宛先に届かない場合、次はルーティングテーブルを確認します。
・ Ciscoルータ / L3スイッチ

・ Windows

・ Linux / macOS

チェックポイント

  • 宛先ネットワークが存在するか
  • デフォルトルート(0.0.0.0/0)は正しいか

典型的な障害パターンと対策

障害例 現象 対策
ルート未設定 特定ネットワークに全く届かない 静的ルートを追加、動的ルーティングの設定確認
Next Hop誤り tracerouteが途中で止まる ルート設定の修正、Next Hopが疎通可能か確認
経路ループ tracerouteで同じルータが繰り返し表示 メトリックや優先度の見直し、ルート再設計
デフォルトルート不備 LAN内通信OKだがインターネットNG 正しいGWをデフォルトルートに設定
FW / ACLブロック ping/traceroute通るがアプリ通信不可 ACL・FWのポリシー確認、ポート開放

実務でのチェック順まとめ

  1. pingでGWまで確認
  2. tracerouteでどこまで届くか確認
  3. ルーティングテーブルを調べる(show ip route / route print)
  4. Next Hopまでpingしてみる
  5. FWやACLを確認

資格試験の観点

CCNA

show ip routetracerouteの出力をもとに障害個所を特定する問題が出題

基本情報技術者試験
デフォルトゲートウェイ設定やルーティングの概念を問われる


まとめ

  • トラブルシュートは下位層から順番に確認するのが基本
  • pingtracerouteルーティングテーブルの順で問題を特定
  • よくある障害は「ルート未設定」「Next Hop誤り」「経路ループ」

👉 次回は VLAN入門として、L2ネットワークの分割と設計の基本を学びます。


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➡ 前回:ルーティングテーブルの読み方入門:宛先ネットワークとNext Hopを理解しよう

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