目次
CIDRとは?/24や/26の意味・サマリゼーション・VLSMを理解する
どうも!リョクちゃです。
前回の記事では「サブネットマスク」について学びました。
今回はさらに一歩進んで、
CIDR(Classless Inter-Domain Routing) を解説します。
「/24」「/26」といった表記の意味や、ネットワーク設計に役立つサマリゼーション、VLSMも取り上げます。
CIDRとは?
- クラスレスにネットワークを表現する仕組み
- 「IPアドレス/プレフィックス長」の形式で記載
- 例:
192.168.1.0/24
,10.0.0.0/16
👉
/24
→ ネットワーク部24ビット、ホスト部8ビット
CIDRのメリット
- 必要なホスト数に応じて細かく分割できる(VLSM)
- 複数ネットワークをまとめて表現できる(経路集約)
- ルータのルーティングテーブルを軽量化できる
ブロックサイズとは?
「ブロックサイズ」とは、 1つのサブネットに含まれるIPアドレスの範囲(数) を意味します。
CIDR表記
/n
の「n」の値によって、ネットワーク部とホスト部の境界が決まり、その結果としてブロックサイズが決まります。
- サブネットマスクを使った計算式 ブロックサイズ = 256 – サブネットマスク値(該当オクテット)
- この値が「ネットワークの区切り幅」となり、どの範囲で区切られるかを判断できる。
👉例:
/26 = 255.255.255.192
の場合、ブロックサイズは64。
つまり
64アドレスごとにネットワークが区切られる ことを意味します。
ブロックサイズの計算例
/24
- サブネットマスク:255.255.255.0
- ブロックサイズ:256
- 範囲
192.168.1.0 ~ 192.168.1.255
/25
- サブネットマスク:255.255.255.128
- ブロックサイズ:128
- 範囲
192.168.1.0 ~ 192.168.1.127
192.168.1.128 ~ 192.168.1.255
/26
- サブネットマスク:255.255.255.192
- ブロックサイズ:64
- 範囲
192.168.1.0 ~ 192.168.1.63
192.168.1.64 ~ 192.168.1.127
192.168.1.128 ~ 192.168.1.191
192.168.1.192 ~ 192.168.1.255
ブロックサイズ早見表 (/24〜/30)
CIDR | サブネットマスク | ブロックサイズ | 利用可能ホスト数(※) |
---|---|---|---|
/24 | 255.255.255.0 | 256 | 254 |
/25 | 255.255.255.128 | 128 | 126 |
/26 | 255.255.255.192 | 64 | 62 |
/27 | 255.255.255.224 | 32 | 30 |
/28 | 255.255.255.240 | 16 | 14 |
/29 | 255.255.255.248 | 8 | 6 |
/30 | 255.255.255.252 | 4 | 2 |
※ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた数。
経路集約(サマリゼーション)
複数ネットワークを1つにまとめる方法。
192.168.0.0/24
と192.168.1.0/24
→192.168.0.0/23
に集約10.0.8.0/24
~10.0.15.0/24
→10.0.8.0/21
に集約
VLSM(可変長サブネットマスク)
サーバ用:/26(62ホスト)
オフィス用:/25(126ホスト)
P2Pリンク用:/30(2ホスト) 👉用途に応じて、同じ親ネットワークを柔軟に分割できる。
IPv6におけるCIDR
IPv6でもCIDR表記を使用(例:
2001:db8::/32
)LANは基本 /64 を使用(SLAACの仕組み上必須)
P2Pリンクは /127 が推奨
まとめ
CIDRは「/n」でネットワーク部の長さを表す仕組み
ブロックサイズ = サブネットのアドレス範囲の大きさ
経路集約やVLSMで柔軟なネットワーク設計が可能
IPv6でもCIDRは利用されるが、基本は /64
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➡ 前回:サブネットマスクとは?計算方法とセグメントの違いを図解で解説